万能の美肌成分として、イオン導入にも欠かせないのがビタミンCです。
正式には“アスコルビン酸”と呼ばれるビタミンCは美容にさまざまな効果を発揮する優秀さをもっていますが、化粧品に配合するには安定性が悪く酸化しやすいデメリットがあります。
このようなデメリットを補うために、ほかの物質と結合させて安定化させた成分がビタミンC“誘導体”です。
誘導体は肌に入ると結合していた物質が切離され、純粋なビタミンCに戻って作用します。
ビタミンC誘導体にはいくかの種類があります。ピュアビタミンCと結合している物質によってその構造が異なり、 それぞれ内包しているビタミンC含有率によって肌に浸透した後のピュアビタミンC量に違いが出ます。
化粧品に配合されているビタミンC誘導体のうち、代表的なものを紹介します。
通称 | 表示名 | 結合物質 | 特徴 |
---|---|---|---|
APM / APS | リン酸アスコルビルMg / アスコルビルリン酸Na | ピュアビタミンCがリン酸と結びついたリン酸型のビタミンC誘導体 | 肌に入るとピュアビタミンCに戻りやすく、ビタミンC含有量が多い |
AA-2G | アスコルビルグルコシド | ピュアビタミンCにグルコース(ブドウ糖)が結びついたグルコシド型のビタミンC誘導体 | ビタミンC含有量は多いが、グルコースが切り離されにくいので、ピュアビタミンCに戻りにくい |
VCエチル | サンプルテキストサンプルテキスト | ピュアビタミンCにエチル基が結びついたビタミンC誘導体 | ビタミンC含有量が多く、エチル基と切離されなくてもビタミンC同様の効果を発揮するが浸透しにくい |
VC-IP | テトラヘキシルデカン酸アスコルビル | ピュアビタミンCに2-ヘキシルデカン酸が複数(4つ)結びついたビタミンC誘導体 | 酵素により切り離されてピュアビタミンCに戻るが、ビタミンC含有量は少ない |
APPS | パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na | APSにパルミチン酸が結合して親油性もたせたビタミンC誘導体 | 2つの酵素によりリン酸とパルミチン酸が切り離されてピュアビタミンCとなるが、ビタミンC含有量は少ない |
★ビタミンCについてもっと詳しく
⇒「vol.24 そのビタミンC誘導体、あんまり意味ないかも!?」
ビタミンC誘導体の中にどのくらいのピュアビタミンCを含むか?」を表す含有率は、ビタミンC誘導体の大きさ(分子量)とピュアビタミンCの含有量をベースに考えます。
ピュアビタミンCの分子量(176)に近い数値の分子量をもつビタミンC誘導体ほど含有率は高くなります。
つまり各ビタミンC誘導体を同じ量で比べた場合、それぞれに含まれるピュアビタミンCの量は含有率が高いほど多くなります。
ビタミンC誘導体の配合濃度が高くても、そもそもピュアビタミンCの含有量が少なかったりピュアビタミンCに戻りにくかったりすると、ビタミンCとしての作用は弱いと言えます。
ビタミンC誘導体は濃度が高ければ効果もアップする濃度比例型の成分ですが、ピュアビタミンCの含有量も大切なポイントです。
どんなに高濃度のタミンC誘導体が配合されていても、そのビタミンC誘導体のビタミンC含有量が少ないと作用が弱く働きを期待できません。
それぞれのビタミンC誘導体の特徴を理解して化粧品選びをしましょう。
イオン導入するビタミンC誘導体は、酵素によって切り離されやすくピュアビタミンCの含有量も多いAPMとAPSが最適なのです。