「保湿」という言葉でどのようなスキンケアを思い浮かべますか?
2つの保湿ケアは、肌が持っている水分を逃がさないようにする方法です。これは肌に水分があってこそのケア。そもそも水分がなければ保湿はできません。
根本から肌の水分を増やすためには、どのようなケアをしたらよいのでしょうか?
肌がみずみずしく水分を含んでいるのは、表皮の角質細胞の中にある天然保湿因子(NMF)が水分を保持しているからです。
NMFは吸湿性がとても高く、一度とらえた水分をなかなか離さないという性質をもっています。
NMFでみたされた角質細胞はたっぷりと水分を含み、それがセラミドや皮脂で維持されているとみずみずしく潤いのある肌を保つことができるのです。
NMFはひとつの物質から成り立っているのではなく、アミノ酸などの水溶性成分の総称を表しています。
遊離アミノ酸をはじめとするアミノ酸代謝物を全て含めると、NMFはアミノ酸が約60%を占めて構成の中心となっています。
健康的でみずみずしい肌には、NMFが欠かせません。
正常な状態であればNMFは体内で自然に必要な量がつくり出されますが、肌荒れした状態ではアミノ酸の残量が1/3程度も減ってしまいます。
皮膚組織に含まれるアミノ酸の量は一定ではなく、様々な外的・内的要因によって変化します。
NMFが不足して乾燥した肌荒れの状態を改善や予防する方法が、化粧品でアミノ酸を補うことです。
体内で合成されるアミノ酸のうち、プロリン、ロイシン、セリン、グリシンなどには優れた保湿効果があります。
アミノ酸は水に溶けて電気を帯びる性質と分子が小さいという性質があり、イオン導入が可能な成分です。
肌の深部まで届けることによってNMFを満たし、水分をキープしてみずみずしい肌に整えることができます。
保湿のスキンケアでは、水分を逃がさない役目の成分にばかり注目しがちです。 本当は肌自身が水分を充分に含んでいることが、保湿の基本なのです。
NMFで角質細胞が満たされている子どもの肌が、スキンケアをしなくても潤ったみずみずしい肌をしていることが何よりの証です。
年齢を重ねて肌の水分量が足りなくなってきたと感じたら、アミノ酸のイオン導入でNMFを補強するスキンケアでうるおいを取り戻しましょう。