気温が下がり空気が乾燥し始めると、夏場は皮脂分泌でテカっていた肌が嘘のように、乾燥して小じわの目立つ肌へと変わります。
年中必要な乾燥対策ですが、保湿アイテムは使用する人の年齢や肌質、また季節によって使い分け、使用量を調整することで肌の状態を良好に保つことができます。
代表的な保湿アイテムである、乳液とクリームの違いとその使い分け方を理解して、最適な保湿ケアを始めましょう!
“保湿”とは、肌のうるおいを保つことです。それは「肌内部の水分を維持する」こと。水分を維持することができる成分が、保湿成分とよばれるものです。他にも、皮脂や天然保湿因子など、肌のうるおいを保つための様々な機能は本来は肌に備わっているものです。けれども、エイジングや空気の乾燥などによって減少してしまうため、肌が乾燥します。これらの、失われてしまった成分や機能を補うことが“保湿”ケアです
保湿成分とそれを補う機能を持つ成分が配合された化粧品が保湿アイテムです。保湿成分は、代表的なものでセラミドやヒアルロン酸があり、アミノ酸などで構成されるNMF(天然保湿因子)もこれに該当します。
また、乾燥でダメージを受けた肌に栄養を与える成分(ビタミンABCなど)や、エイジングを防ぐために抗酸化の働きをもつ成分(ビタミンE、グロスファクターなど)など、保湿をサポートする成分も配合されていることもポイントです。 保湿アイテムには、乳液、美容液、クリームなどがあります。
乳液やクリームは、本来は油分を肌に補うためのアイテムでした。 人の肌は、自ら作り出す皮脂膜や保湿成分によって、乾燥や寒暖、塵埃、細菌などから守られています。けれども、洗顔することによって皮脂は除去され再生されるまで時間がかかりますし、年齢を重ねた肌は皮脂の分泌が少なくなるため、さらに時間がかかります。そこで、乳液やクリームで天然の皮脂膜の代わりに素早く人工の皮脂膜をつくって皮膚を保護し、なめらかに整える役割を担っているのです。
最近の保湿アイテムは、乳液やクリームでも「単純に油分だけを補う」を目的としたものは滅多にありません。 ほとんどの商品が、美白やエイジングケアなどの美容効果に働きかける成分を油分と一緒に配合した、高機能なアイテムとして位置づけられています。油分の補給だけでいいのなら、沢山の成分が配合された高価なクリームでなくても、シンプルに油分だけを補うワセリンなどで充分だと言うこともできます。
油分が少なくて水分が多く、流動性があり、クリームと化粧水や美容液との中間的な性質をもっているアイテムが乳液です。肌に薄くよくのびて、サラッとなじみやすい使用感が特徴です。 保湿アイテムとしての乳液は、水の中に油が微細に分散しているものが多く、肌の保湿機能のバランスを、保湿成分や油分、水分によって整えます。 乳液は、保湿成分の種類や量がクリームに比べて抑えて配合されていることが多く、皮脂分泌の多い若い肌や、脂性肌、皮脂分泌が盛んな夏季の肌向けのアイテムといえるでしょう。
油分、保湿成分、水分を含み、肌のうるおいを守る働きのある化粧品で、ツヤのある半固体状です。乳液よりも水分は少なく油分が多く、こっくりとした使用感があります。 ポイントは保湿成分の量で、高保湿の成分が量も多く配合されて、さらには美白やシワなどに働きかけるエイジングケア成分やなどもたっぷりと使用されているのが、クリームの特徴です。乾燥肌の方、乾燥する季節、年齢を重ねた肌で皮脂分泌が少ない場合などには、クリームの使用が欠かせません。