様々な美白成分がある中で、今注目されているトラネキサム酸。
内服薬として広く知られていますが、化粧品としてイオン導入することも可能な成分です。
どんな特徴をもつ美白剤なのでしょう?
トラネキサム酸の働きのキーワードは「炎症の鎮静化」。
美白作用にも様々な働きがありますが、トラネキサム酸のそれは「炎症の鎮静化」によって美白を促すもの。
さらにそのキーワードには、ダイレクトに肌荒れ防止する作用「炎症の鎮静化」も含まれています。
それぞれについてみていきましょう。
シミの部分は絶えず弱い炎症状態にあります。そのため、シミの元となるメラニンを作り出すメラノサイトが活性化して、シミは次第に色が濃くなったり、何度も同じ場所にできることがあるのです。
この状態は、メラニン生成を指令するプロスタグランジンが絶えず生成されていることを現しています。 トラネキサム酸はこのプロスタグランジンを抑制しメラニンの生成を低下させる作用で、活性化しているメラノサイトを鎮めます。
これが、トラネキサム酸のひとつの働きである、美白のための「炎症の鎮静化」です。
紫外線や乾燥などの刺激によって、肌の表皮ではタンパク質分解酵素のプラスミンが活性化され、細胞同士のつながりが壊されて角化異常が引き起こされます。 これによって、皮膚が乾燥したり、硬くなってゴワゴワしシワが出来たり、色がくすんだりする肌荒れの症状がおこります。
トラネキサム酸は原因となるプラスミンの生成を抑制するため、このような肌荒れを防止する作用もあるといわれています。
トラネキサム酸といえば、美白作用ばかりが注目されがちですが、その働きの基本は「炎症の鎮静化」。 二通りの「炎症の鎮静化」によって、肌をトータルで美しく導いてくれる優れものの成分なのです。