肝斑という独特のシミに効果的な唯一の成分として注目されているトラネキサム酸ですが、 最近になって新しい美容効果がわかってきました。
新たに「抗シワ」作用と、メラニンの生成抑制についての異なる働きが発表されたのです。
Vol.14では、トラネキサム酸がメラノサイトを鎮静化することによってメラニンの生成を抑制してシミができるのを防ぐ美白効果と、タンパク質分解酵素のプラスミンの生成を抑えることによって肌あれを抑制する、2つの「炎症の鎮静化」の働きがあることをお伝えしました。
同じ美容成分として有名なビタミンCの様々な効果(美白、コラーゲンの産生促進、皮脂分泌の抑制、抗酸化、還元作用など)に比べるとやや物足りなく、どうしても美白のイメージが強い成分として認識されていました。
そのトラネキサム酸に、このたび新しい美容効果があることがわかりました。 まずその一つ目が、「光老化」を防ぐ作用です。「光老化」とは、紫外線のうち長い波長のUVA波の影響によって活性酸素が発生し、肌のハリを支えているコラーゲンやエラスチンが壊されて、深いシワが現れるといった現象です。
トラネキサム酸には、この破壊されたコラーゲンやエラスチンを修復し、深いシワができるのを未然に防ぐ効果があるということが判明しました。いわゆる「抗シワ」効果です。
また美白作用についても、これまではメラニン生成を指令するプロスタグランジンを抑制しメラニンの生成を低下させる「炎症の鎮静化」作用によって、シミができるのを防止する美白効果が知られていましたが、もう一つの働きも判明しています。
今回、肌の深部のメラノサイトで既にできてしまったメラニンが排出されていくのを抑制する効果が認められ、さらにシミができるのを防ぐことがわかったのです。
2とおりのメラニン産生抑制作用によって、より美白効果が高い成分ということができるでしょう。
新しい美容効果の判明によって、トラネキサム酸は炎症の鎮静化による美白と肌荒れ防止成分から、抗シワと新たな美白効果の備わった総合的なエイジングケア成分として有効ということが明らかになりました。
さらには、イオン導入によってこれを肌の隅々まで届けることができるのですから、美しく若々しい肌を保つためには、大いに役立ってくれることは違いありません。
様々なアプローチからのエイジングケアができる成分としてますます注目の成分となりそうです。