vol.24
そのビタミンC誘導体、あんまり意味ないかも!?
〜効果を感じられるビタミンC誘導体の選び方〜
「ビタミンC誘導体の化粧水って市販やプチプラでもいろいろあるけど、安くてたくさん使えたほうがいいよね!」
このように考え「ビタミンC誘導体配合」の記載だけを見て、お手頃なビタミンC誘導体化粧水を選んでいませんか?
もしかしたらその化粧水は、ビタミンC誘導体のなかでもビタミンCの効果がわずかしかないかもしれません。
肌で本来のビタミンCの効果を発揮できるビタミンC誘導体と、そうではないビタミンC誘導体の違いと見分け方をお伝えします。
ビタミンCの効果を実感したいなら「リン酸型」がおすすめ
「ビタミンC誘導体」はどれも同じではありません。
ビタミンC誘導体には水溶性や油溶性など種類があり、水溶性のなかでもさらに種類が分かれています。
イオン導入する場合はイオン化するビタミンC誘導体であることが条件。
なかでもビタミンCの効果を肌で最大に発揮できる「リン酸型」のビタミンC誘導体(アスコルビルリン酸Na[APS]、リン酸アスコルビルMg[APM])が最適です。
市販されているビタミンC誘導体の化粧水で最も多く使用されているのは「グルコシド型」のビタミンC誘導体です。
「グルコシド型」はイオン化されないため、イオン導入しても浸透しません。
そればかりではなく肌に直接塗布した場合でも、効果を実感しにくい成分なのです。
実はビタミンCの効果が感じられない!?水溶性ビタミンC誘導体の性質の違い
「グルコシド型」は、肌でビタミンC本来の美肌効果を発揮しにくいビタミンC誘導体です。
その理由には、ヒトの肌にある酵素の働きが関係しています。
水溶性ビタミンC誘導体では「リン酸型」はビタミンCにリン酸が、「グルコシド型」ではビタミンCにグルコースがくっついて不安定なビタミンCの安定を保っています。
誘導体は肌へ浸透すると酵素の働きでリン酸やグルコースを切り離してピュアビタミンCへ変わり、ビタミンCの効果を発揮するのですが・・・、残念ながらグルコースを切り離す酵素は、ヒトの肌にほとんどありません。
そのためグルコースがくっついた「グルコシド型」ビタミンC誘導体は、肌に浸透してもビタミンC誘導体のまま。
手枷足枷をはめられたような状態で純粋なビタミンCに変われないので、効果を発揮することができないのです。
★ビタミンCについてもっと詳しく⇒「vol.31 ビタミンC誘導体とビタミンC含有量」
医療用・クリニックでは「リン酸型」が圧倒的!
市販はめずらしい、その理由は?
市販の「ビタミンC誘導体化粧水」には、「グルコシド型」が配合されているものが最も多く見られます。
その理由は「グルコシド型」ビタミンCの原料価が安く、安定していて長期の保存に適しているからです。
一方のリン酸型は医療用にクリニックなどで多く使われていますが、市販の化粧品で配合されている商品はわずかしかありません。
「リン酸型」は美肌効果が高いものの「グルコシド型」に比べて安定性が低く、特に高濃度で配合した場合は市販するには品質保持の面でハードルが高いからです。
リン酸が外れやすいことは不安定ということですが、それゆえ[変化しやすい=ビタミンCの効果を発揮しやすい]ことに繋がるのです。
「リン酸型」ビタミンC誘導体の化粧水は、クリニックでは用事調整などで少量ずつ販売したり、市販のものは使用期限を短く設定して早めの消費を促したりと、いずれも品質保持ができるように配慮されています。
簡単!美肌効果を得られるビタミンC誘導体化粧水の選び方
では市販のビタミンC誘導体化粧水のなかで、「グルコシド型」を避けて「リン酸型」を選ぶには何をチェックしたらいいのでしょうか?
簡単です!「ビタミンC誘導体」というキャッチコピーではなく、全成分をチェックすればいいのです。
ビタミンCは[アスコルビン酸]と表記されますが、「リン酸型」なら[アスコルビル][アスコルビル酸]に[リン酸]という名称がくっついた成分名になっています。
(例)アスコルビルリン酸Na、リン酸アスコルビルMg
「グルコシド型」は[アスコルビン酸]に[〇〇グルコシド]や[グルコシル〇〇]という表記がついた成分名になっています。
(例)アスコルビルグルコシド、L-アスコルビン酸 2-グルコシド
肌にとって効果のあるビタミンC誘導体で美肌になりましょう
ビタミンC誘導体の化粧水を選ぶ際はかならず全成分表示を見て、どんなビタミンC誘導体が配合されているのを確認しましょう。
まったく効果が得られない化粧水もあるからです。おすすめは肌で充分にビタミンCの威力を発揮でき、肌に効果の高い「リン酸型」ビタミンC誘導体です。
リン酸型ビタミンC誘導体 配合アイテム