成分セミナー5【ビタミンC】ビタミンCこぼれ話
「ビタミンCを塗った後に、すぐ紫外線に浴びるとシミの原因になる」このような話を聞いたことはありませんか。
このウワサの真実は・・・如何?
結論からいうと、このような事実は全く無く間違った話なのですが、ではなぜこのような話が、いったいどこから出てきたのでしょうか。
朝、摂取するとシミを出来やすくしてしまう成分とは
実は、この話の原因は、ビタミンCの豊富なレモンなどの柑橘類や一部の果物・野菜に含まれる「ソラレン」という物質の特性によるものと考えられます。このソラレンは光感受性(光に対する反応)を高める働きがあり、特に300~400nmの光の波長に対して強く作用します。
この波長の範囲は、紫外線のUV-A~UV-Bの波長とほぼ同じもので、結果として、ソラレンは紫外線による刺激を高め、メラノサイト(メラニン細胞)を活性化させることでシミの原因(メラニン)を増やすという光毒性を持っています。
なお、食べることでもソラレンは血液によって運ばれ同様の作用を表すとされています。 ソラレンが含まれる食品としては、代表的なものにレモンがあり、その他柑橘類全般、イチジクなどに含まれています。
レモンはシミの大敵?
このように、ソラレンは紫外線の光感受性を高める成分ですので、ソラレンをとると紫外線の影響を受けやすくなります。
ですから、ソラレンを含むレモンを、朝大量に飲食したりすると、紫外線が強く作用してしまいシミができ やすくなってしまうと言われていますが・・・
もっとも、ソラレンが体内でその紫外線の感受性を高める作用が働くのは10mgからと言われていますので、かなりの量を摂取しない限り問題ないようです。また、摂取後8時間ほどで体内から無くなってしまうので、夜に摂取した分も作用しない可能性が高いです。
「ビタミンCを塗った後に、すぐ紫外線に浴びるとシミの原因になる」という話は、これが真実だったのですね!!
「ソラレン」→「レモン」→「ビタミンC」??
このように、紫外線の影響を受けやすくシミなどの原因となりやすいソラレンは、ビタミンCとは全く異なる成分です。レモンなどの柑橘類にはビタミンCも多く含まれていることから「ソラレンの光毒性がシミの原因(メラニン)を増やす」⇒「レモンを朝食べて、紫外線を浴びるとシミの原因となる」⇒「ビタミンCを塗った後に、すぐ紫外線に浴びるとシミの原因になる」このような話に変わってしまったのではないでしょうか?
ビタミンCそのものには、シミを増やす因子はなく、逆にシミの予防・対策にとても有効な成分です。これらは、既に様々な研究や検証で明らかにされていて、ビタミンCは厚生労働省が美白成分としてその効果を認めた成分のひとつでもあります。