成分セミナー7【アミノ酸】アミノ酸とNMF

肌は、自ら水分を保持し、みずみずしく保つための機能を持っています。
アミノ酸はこの機能に重要な関わりを持ち、肌の保湿にはかかすことのできない成分です。

天然保湿因子「NMF」とは?

理想の肌を思い浮かべてください。それは乾燥とは無縁のしっかりと保湿されたキメが整った肌ではないでしょうか。皮膚表面の角質はケラチンというタンパク質で作られており、水分を含むとふっくらと柔らかくなります。美しい肌と呼ばれるためには、角層に水分が15~20%含まれていることが必要条件です。ケラチンが含んだ水分を、長時間しっかり保ってくれるのは、角質細胞の中にあるNMF(Natural Moisturizing Factor)という天然保湿因子です。

このようにNMFは、角質内で水分を保持する重要な働きがあります。正常な状態であれば、体内で自然につくりだされるNMFですが、汗をかいたり顔を洗ったりするときに、汚れと一緒に流れ落ちてしまいます。年齢を重ねるにつれて、体内での生成力が低下してくるため、肌が歳とともに乾燥しやすくなるのもこれが原因のひとつです。

NMF(天然保湿因子)の働き

皮膚のターンオーバー

人の皮膚の細胞は、常に新しい細胞が作り出され、増えた分だけ古い細胞が死んで排除されていきます。新しい細胞は、基底層で誕生して少しずつ押し上げられ、角層へ変化します。角層では、上に行くに従って水分が減り、平たくなり、最終的には死んだ細胞となって皮膚表面からアカとして剥がれ落ちます。このような過程を、皮膚の新陳代謝やターンオーバーといいます。

正常な皮膚では約28日周期でこのターンオーバーが行われると言われています。しかし様々な要因(加齢・ストレス・環境など)によって、このターンオーバーのサイクルが乱れると、皮膚には様々なトラブルが起きてしまいます。例えば、剥がれ落ちるべき角層細胞が残ると角質層は厚くなり、皮膚はしっとり感や柔らかさを失って硬くなったり、ザラつきや肌がくすむ原因にもなります。ターンオーバーのサイクルは、年齢とともに遅くなり、正常な肌では28日のところ、40歳代では40日ほどにもなってしまいます。

アミノ酸が保湿を促す

ターンオーバーをしている過程の肌細胞では、皮膚の保湿に必要なNMF(天然保湿因子)もつくられます。 よって、ターンオーバーが乱れると、必要な保湿成分NMFが十分に作られなくなり、皮膚は乾燥しやすくなります。

乾燥を予防し改善するためには、減少したNMFを補う必要があります。 その役目があるのがアミノ酸です。NMFの約半分はアミノ酸とアミノ酸から作られるPCA(ピロリドンカルボン酸)で構成されており、アミノ酸は肌の潤いを保つ最もナチュラルな保湿成分と言うことができます。

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