成分セミナー12【ビタミンE】ビタミンEとエイジングケア
ヒトの生命を維持するために必要な成分ビタミンのうちのひとつ、[ビタミンE]と言えば、何を思い浮かべますか?
ビタミンCほど身近ではないのであまり知られていませんが、[ビタミンE]は食べ物にも多く含まれています。大豆、落花生、アーモンドなどの豆類、玄米や植物油、ツナ缶、たらこ、カボチャなどが、[ビタミンE]を多く含む食品です。
[ビタミンE]には沢山の種類がありますが、一般的に表示される成分名では、「○○トコフェロール」「○○トコフェリル」などが[ビタミンE]を示しています。
この[ビタミンE]が美容の面で大きな効果をもたらしてくれるのがエイジングケアです。
エイジングケアのための成分は他にも様々ありますが、「ビタミンE」はその代表的な成分と言えるでしょう。
さっそく、[ビタミンE]がどのようにしてエイジングケアに働きかけるのか、みてみましょう。
ビタミンEの抗酸化作用
[ビタミンE]の美容効果で最も代表的なものが抗酸化作用です。
紫外線やストレス、生活環境などの様々な要因によって人の体内では活性酸素という物質が発生します。 これは化学反応を起こしやすい特殊な酸素で、脂質と結びついて細胞を酸化させ、肌へ悪影響を与える過酸化脂質を作り出します。 この過酸化脂質が肌細胞を老化させあるので、細胞レベルのダメージが集積し、肌にシミやシワ、くすみやたるみといった肌老化の症状が現れるのです。
[ビタミンE]は、この活性酸素の暴走を抑えて過酸化脂質の生成を防ぐ働きで、いわゆる“抗酸化”を行います。わかりやすく言いかえると、 体をサビさせる原因を抑える働きがあるのです。 このような作用のある成分を“抗酸化物質”といいます。
[ビタミンE]のほかにも抗酸化物質として知られている成分は、海産物に含まれるアスタキサンチン、野菜や肉類などに含まれるα-リポ酸、コエンザイムQ10、ビタミンC、ポリフェノールなどがあります。
ビタミンEの血行促進作用
抗酸化作用よりも先に[ビタミンE]の働きとして広く知られていたのが血行促進作用です。
[ビタミンE]は抹消血管を拡張することにより、滞っていた血流を改善して血行を整えます。これにより新陳代謝が促され、角化異常の防止による乾燥や炎症など肌荒れの改善、日焼けによるシミ、ソバカスなどの色素沈着の抑制をはじめとして、肌の保護や老化防止に働きかけます。
さらには、しもやけやひび、あかぎれなどの治療用外用薬にも多く配合されています。