化粧品セミナー6化粧品の配合成分Ⅱ
美白剤
日焼け後に肌が黒くなったり、シミやソバカスが増えて、肌の美しさが損なわれるのを防ぐための成分で、 「メラニンの生成を抑制し、その沈着を予防する」ことを目的として化粧品に配合されています。 メラニンの過剰な生成を防ぐメカニズムは、それぞれの美白剤で異なっています。
[ビタミンC誘導体]
純粋なビタミンCを、安定化して皮膚から入りやすい型にした成分です。メラニンを作り出す酵素チロシナーゼ抑制効果のほか、一度できてしまったシミを薄くする効果もあります。純粋なビタミンCがピュアビタミンCと呼ばれるのに対して、プロビタミンCと呼ばれています。
[アルブチン]
もとはコケモモやウワウルシなど植物の葉などに含まれている成分で、メラニンを作り出す酵素チロシナーゼを抑制する効果があります。
[カミツレエキス]
カモミール(カミツレ)から抽出される成分で、メラニンを生成するメラノサイトを刺激してメラニン生成を促す情報伝達物質エンドセリンの働きを抑えます。
[プラセンタ]
チロシナーゼ抑制によるメラニン生成抑制や排出などの美白効果があります。
[フィチン酸]
米ぬかや豆類に多く含まれる成分で、 肌の基底層や真皮内に残ってしまったシミの原因となるメラニンを貪食する「マクロファージ」の機能を飛躍的に高める働きがあります。
抗老化剤
肌老化の代表的な症状として現れるシワやシミなどは、「抗酸化作用」のある成分に加えて、細胞を活性化させる「細胞賦活剤」などの成分によるケアで予防することができます。
○抗酸化剤
[ビタミンC][ビタミンE]
老化を引き起こす原因の1つとして、活性酸素が近年最も注目されています。活性酸素が人体に及ぼす悪影響は、「身体のサビ」といわれる物質をつくり、細胞を酸化させて老化を進めます。活性酸素の発生を防御する「抗酸化」は、皮膚老化の予防対策として重要であり、ビタミンCやビタミンEは、このような抗酸化作用をもち、活性酸素の発生を抑えて肌の老化を予防します。
○細胞賦活剤
[ヒトオリゴペプチド–EGF、FGF、IGF]
働きの衰えた細胞に作用し、その機能を活性化させることにより、皮膚の状態を回復させる作用を持った成分を細胞賦活(ふかつ)剤といいます。賦活とは「活力を与える」という意味です。細胞賦活により皮膚を生成する線維芽細胞の活性を促進させ、シワやたるみの原因を予防します。
抗炎症剤
肌の炎症を鎮静することを目的とした成分で、肌荒れを改善し、ニキビの予防や赤ら顔のケアなどに適しています。
[グリチルリチン酸]
マメ科の甘草(カンゾウ)から抽出されたエキスで、抗炎症、抗アレルギー作用があります。皮膚炎に関しての効果が高く、化粧品以外にもニキビ治療薬などに幅広く配合されています。
[パルミチン酸レチノール]
表皮細胞の保護作用があり、乾燥や角化した肌を改善して柔軟に保つほか、ニキビ予防などの目的で配合されています。
[カミツレエキス]
カミツレの花から抽出されるエキスで、消炎、収れん、血行促進などの効果があります。