成分セミナー6【アミノ酸】アミノ酸
最近では、清涼飲料水や食品などにアミノ酸を効果的に配合して、その商品名にもアミノ酸を冠したものも多く作られています。
大変身近な成分として知られるようになったアミノ酸ですが、肌にとってはどのような存在なのでしょうか。
アミノ酸とは?
私たちの体は、タンパク質からできており、このタンパク質はアミノ酸で構成されています。言い換えれば、皮膚はもとより毛髪なども含めた私たちの体は、アミノ酸からつくられているともいうこともできます。美肌にとって大変重要な役割をもち、肌のハリを保つコラーゲンや、エラスチンもアミノ酸からつくられています。また、アミノ酸は肌の天然保湿因子(NMF)の主な構成成分で、保湿に重要な役割を果たす働きもしています。
アミノ酸の種類
ひと口にアミノ酸といっても、細かく分けると様々な種類があります。セリン、グリシン、ロイシン、アルギニンなどをはじめとして他にも多数あり、これらを総称してアミノ酸といいます。
基本的な天然のアミノ酸は全部で20種類あります。アミノ酸は体の中で他のアミノ酸などから合成されますが、体内で合成されず外から摂取しなければいけない9種類のアミノ酸を『必須アミノ酸』といいます。
◆必須アミノ酸
バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、ヒスチジン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン
◆非必須アミノ酸
アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、チロシン、グルタミン酸、アラニン、プロリン、セリン、グリシン、グルタミン、シスチン
コラーゲンのアミノ酸
人体の軟骨や腱を構成するタンパク質の一つであるコラーゲンは、いくつものアミノ酸によってつくられていますが、皮膚コラーゲンであるⅠ型コラーゲンのアミノ酸組成は、体の他の部位のものとは大きく異なっています。最も多いのがグリシンで33%、次に多いのがプロリン13%、ついでアラニンが11%となっています。Ⅰ型コラーゲンは、このアミノ酸の組成と線維性で皮膚に弾力を持たせています。
化粧品のアミノ酸
アミノ酸が配合された化粧品の成分表示には、総称の“アミノ酸”という表示はなく、セリン、グリシン、グルタミン酸・・・のようにそれぞれのアミノ酸名で表記されています。 実際の製造では、これらのアミノ酸数種類がミックスされた“アミノ酸カクテル”といわれる原料を配合していることが多いです。 メーカーによってはこのミックスされたアミノ酸カクテルの構成をより人体コラーゲンの構成に近づけるために、独自の工夫として別途追加で数種類のアミノ酸を配合している商品もあります。