成分セミナー13【ビタミンE】ビタミンEの特性とイオン導入
ビタミンEの特性
本来[ビタミンE]は、水には溶けずに油分との親和性が高い成分油溶性成分です。
このような特性から、クリームや乳液、ジェルなどの商品に配合されることが多く、化粧水に配合されることはほとんどありませんでした。
ビタミンEとイオン導入
「イオン導入に適した化粧品とは?」(イオン導入セミナー5 イオン導入化粧品の条件)で取り上げた、イオン導入するための条件を思い出してみて下さい。
第一の条件は「水溶性の成分であること」でした。水に溶ける水溶性の成分でなければ、イオン導入することはできません。
そのため、油溶性の[ビタミンE]はイオン導入することができず、直接肌の隅々まで送り届けることは不可能でした。
両親媒性ビタミンEの誕生
近年では、油溶性の[ビタミンE]に水溶性の性質を加え、両親媒性(水にも油にも溶ける性質)として改良した[ビタミンE](ビタミンEリン酸ナトリウム/表示名=トコフェリルリン酸Na)が開発されました。
この新しい[ビタミンE]によって、水に溶かして化粧水などの水をベースとする化粧品にも配合することが可能になりました。
水溶性にすると成分の安定性が増して分解されにくいので、成分の高濃度配合も実現し、電気の力で肌の隅々まで成分を届けるイオン導入もできるようになりました。
これによって、エイジングケアの成分[ビタミンE]は、ビタミンCにも勝るとも劣らない強力なスキンケア成分となったといえるでしょう。
相性抜群! ビタミンCとビタミンEのシナジー
[ビタミンE]は強力な抗酸化力で活性酸素を抑制しますが、それによって[ビタミンE]自身も抗酸化力を失います。
しかし、抗酸化力を失った[ビタミンE]にビタミンCが働きかけると、抗酸化力が復活して、その力を継続的に維持することができるようになります。
水溶性の性質を持った両親媒性の[ビタミンE]は、ビタミンCと同時に肌に送り込むことによって、2つのシナジーでさらに効果的にその力を発揮することができます。